「トヨタ自動車(以下、トヨタ)は2014年2月10日、2017年末までにオーストラリアでの車両・エンジンの生産を中止することを発表した。」
記事を読んでみると、トヨタだけに限ったことではなくて、GM等も撤退しており、結果として、 オーストラリアで現地生産する自動車メーカーはなくなることになるそうです。この記事を読んで、日本人の多くは「ふ〜ん、俺には関係ないや」ぐらいに思っていると思います。確かに直接的には関係ないのですが、雇用と賃金について示唆深いものがあるなと私は感じました。
オーストラリアは、最低賃金が非常に高い国です。為替に影響を受けるので、一概には言いづらいのですが、時給にして1600円〜2000円ぐらいはあります。つまり、日本の倍です。学生でも、これぐらいは貰えます。ですから、以前の私はオーストラリアの労働環境について、こんな風に考えていました。
- 労働者は幸せ。
- 労働者の権利が強い。
- 国が労働者に優しい。
- 共産主義に似たところがある。
- 資源がある国だから、裕福な労働環境が維持される。
翻って日本の場合です。
- 労働者は不幸かもしれない。
- 労働者の権利が弱い。
- 国・企業は労働者を安価に使おうとしている。
- 行き過ぎた資本主義である。
- 資源がない国だから仕方がない。
多くの人が考えることは私と同様で、おおよそ、こんな感じだったのではないでしょうか?しかし、トヨタの記事を見てドキっとさせられました。これからは、国境の敷居が低くなっていくので国家に守られた労働者はいなくなり、また企業は常にコスト面で国際競争に曝されているため、採算が合わないようだと普通に国から撤退するのだと。
そして、当然のことながら、これは日本にも当てはまります。海外から移民を連れて来るぐらいなら日本人の雇用を守るべき、日本人の賃金をもっと上げるべきという話は、よく聞かれる話です。しかし、それを企業に強要しようものなら、企業は国際競争に勝つために、やむを得ずに海外に工場を移すでしょう。結果として日本人の雇用は失われます。
労働者の守られた権利というのは、国に関係なく弱くなっていくのだということに気付かされた、そんな記事でした。
労働者の守られた権利というのは、国に関係なく弱くなっていくのだということに気付かされた、そんな記事でした。
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