2012年9月24日月曜日

フィリピン人とのオンライン英会話で英語以外に学んだこと

フィリピン人との約二年にわたる英会話で、英会話以外に得られた知識をまとめます。大別すると以下の四つです。
  1. 家族について
  2. 仕事について
  3. 男女関係について
  4. グローバリズムについて
1、家族について。基本的な構成はこんな感じ。
フィリピン人
  • 大家族
  • 子供は3人以上
  • 経済的なつながりがインタラクティブ
日本人
  • 核家族
  • 子供は1、2人 
  • 経済的なつながりは親から子供
 
フィリピン人の大家族というのは、祖父から孫まで一緒に住んでいるというだけでなく、時には養子も混じっていたり、家政婦も住み込みだったり。本当に大家族です。養子をもらうことは、日本よりも簡単なので、未婚女性でも養子をもらえます。また家政婦の賃金は非常に安くて、8000円ぐらいで一ヶ月間、雇えます。住み込みなので住居と食事を提供する必要がありますが。
 これらによって、何が起きているかというと女性の家での労務が大幅に軽減されています。子供の世話は祖母がやってくれたり、家政婦がやってくれたり、時には既に大きくなった子供達がやってくれるので、母親は安心して働くことができます。
 日本の場合は核家族で各々の家庭において、女性が家事をやっています。最近は、独身世帯も増えたので個々が家事をやっているケースも多そうです。みんなが、みんなそこに時間をとられて、仕事だったり、婚活だったりが疎かになっています。
 フィリピンでは金銭面でも家族での助け合いが強く、20代でも一家の大黒柱だったり、兄弟の学費の面倒を見ています。 辛そうだなと思う反面、誰かのために働くということで、本人が励まされる一面もある気がします。
 こうして比較することで日本人は金銭的にも、精神的にも非効率な生き方をしているんだと、気付かされました。これが高度経済成長のもたらしたものだとすると少し寂しい気もします。

2、仕事について

私は、フィリピン人についてある一定以上の階層しか知らないということを前提にして読んで下さい。貧困層については、あまりよく知りません。
フィリピン人
  • 休みは週1
  • よく働く
  • 仕事が少ない
  • 生活保護はない
  • 最低賃金はない
  • 女性が海外に出稼ぎに行く
  • 女性管理職の割合が世界で一番、高い
日本人
  • 休みは週2
  • よく働く
  • 仕事はたくさんある
  • 生活保護がある
  • 最低賃金がある
  • 海外には出稼ぎに行きたくない
  • 女性管理職の割合が世界で一番、低い
  
フィリピン人は本当によく働きます。でも離職率は高いので、日本人的なロイヤルティは特に持っていないようです。お金、お金といった感じです。仕事は非常に少ないので、コールセンターやオンライン英会話で働く人は非常に多く、また、中東やアメリカへ出稼ぎに行く人も多くいます。看護婦だったり、家政婦だったり。中東だとホントに奴隷みたいな扱いをされることもあるそうで、出稼ぎも命がけです。ただ、最近は海外での女性の仕事が減ってきているみたいなので、出稼ぎに行きづらくなっているようです。看護学校を卒業しても、フィリピンはおろか、海外でもナースになれない!という記事が2、3ヶ月前に話題になっていました。
 フィリピン人の女性管理職は非常に多く、男女比の割合では世界一です。これは女性が優遇されているというよりは、本当によく働くから。出産のための休暇は約一ヶ月。これは、長く休暇をとっていたらクビにされかねないためです。そもそもフィリピン女性は子供をたくさん産むので、日本のように会社が妊婦を優遇していたら、それこそ会社が倒産してしまいます。また深夜でも彼女らは普通に働きます。コールセンターで働く場合はアメリカ時間に合わせて働くためです。つまり、フィリピン女性は男性とほぼ同様に働くため、男女関係なく評価された結果として、女性管理職の割合が世界一になったんでしょう。日本で労働環境の男女差別を無くせと声高に叫ぶのは結構ですが、責任も伴うということも日本人女性は理解しているんでしょうか。日本人女性は、深夜に働けますか?出産の直前ま働けますか?フィリピン女性、日本人女性のどちらが幸せなのかは難しいところですね。

3、男女関係について


フィリピン人
  • 男が弱く、女が強い
  • 保守的な女性が多い
  • 遠距離恋愛が多い
日本人
  • 男が強くて、女性は普通
 
とにかく女性が強い。よく働く、勉強する、海外にも出稼ぎに行く。フィリピン女性から「フィリピン人の男は嫌」っていう言葉は少なからず聞きます。夫婦で海外に出稼ぎに行き、女性が海外で働き続けることを望み、男性がホームシックになった結果、別れたという話も聞きました。男女が逆だろ、それ!と突っ込みたくなります(笑)また、階層にもよりますが女性は保守的です。結婚する年齢が日本より早いということ、離婚が許されてない社会という事と関係がありそうです。一応、離婚みたいなのはあるんですが、正式には離婚できないそうです。遠距離恋愛が多いのは、海外に出稼ぎに行く人が多いためです。数年間、遠距離恋愛というのも普通によくある話みたいです。ちなみにデート代は全て、男性もちだそうです。これは、男にとってはきつい。。。ただ、この辺りの話は個人差が大きそうなので、参考程度という感じです。

4、グローバリズムについて

正直なところ、初めてオンライン英会話をした時は感動しました。なんだ、これは?こんなモノがあっていいのだろうか?ホントにそんな、言葉では言い表せないような感覚で包まれたことを覚えています。全く、英語を話せなかったにも関わらず(笑)
それを成し遂げている要因は二つ。
  • IT革命
  • 日本とフィリピンの間でのお金の格差
 
IT革命とは通信費の安さ、低価格のPC。それが先進国だけでなく、発展途上国でも使えるようになっているということ。これもグローバリズムの一つですね。ちなみにフィリピンではOSは無料(笑)、ソフトも大体、無料(笑)。それだけです。それ以上は特に言及することはありません。

お金の格差これが大事。

フィリピンでの生活費は大体こんな感じです。
マニラ周辺;35,000円/月
セブ周辺;30,000円/月
ダバオ周辺;25,000円/月

普通の人の給料
一日、8時間で24日労働
30,000〜45,000円

簡単に考えると、日本とフィリピンで住む場合の賃金・コストは10倍ぐらいの差があります。でも同じ経済圏に住んでいる場合は全く無意味です。賃金が高くても、コストも高いわけですから。そんな状況の中でその経済圏、障壁を取り除いてしまったのがIT革命。その結果、日本人は優秀なフィリピン人の講師から10分の1のコストで英語のレッスンを受けられるようになりました。生徒の中には、日本で英語を教えている先生も混じっているようです。(笑)グローバリズムは、世界規模で見ると仕事と所得の分配であり、素晴らしいことではありますが、何事にも正と負の側面があります。
正の側面

  • 日本にいながら、英語の能力が高いフィリピンに住む先生に安く教えてもらえる。
  • フィリピンでは、雇用が創出され、フィリピン人は他の仕事に比べて割高な給料が手に入る。
負の側面
  • 日本にいる能力の低い、割高な英語の先生の立場がない。
 
グローバリズムの素晴らしさと残酷さをこんな身近に体感したのは、これが初めてでした。

学んだことを今後の日本にいかせないだろうか? 
学んだことを適当に今の日本に合わせてアレンジしたら、世の中がよくなるかも。

1、セーフティネットを国から家族・集団に変更する。

 
生活保護を少なくする。一人、月に30,000円ぐらい。
弱者に厳しいように見えますが、家族だったり他者と寄り添って生きていく生活は、月に200,000円貰って一人で生きていく生活より素晴らしい気がします。勿論、生活保護を支えている国民の負担も減ります。


2、最低賃金を取り払う。
これによって、弱者のための仕事が生まれ、社会に必要とされ続けます。そして生活保護と合わせて暮らしていけます。

3、真の男女平等を目指す。

男、女に関係なく結果で判断する。長時間労働、深夜労働も男女関係なし。産休は短くする。これによって、貴重な労働資源を余すところなく使えることができます。

4、フィリピンから英語教師に来てもらう

日本人の英語力の低さはここ数年、言われ続けている課題ですが、大きな原因の一つに英語の先生が悪いということが挙げられます。フィリピンから英語の先生に来てもらえば、日本人の英語力も少しは底上げされるのではないでしょうか?

2 件のコメント:

まさひろ さんのコメント...

なかなかいい記事です。参考になりました。
ありがとうございます。

test さんのコメント...

ありがとうございます。感じてたことをそのまま書き連ねてみました。